肥満になるメカニズム

ダイエット理論

肥満になるメカニズム

肥満になるメカニズムには遺伝子的な要因が関与していることがあります

肥満の主な原因

具体的には、遺伝子によって体重や体脂肪の調節に関わるホルモン神経伝達物質の分泌や受容体の種類や数が変化することがあります
また、エネルギー代謝や食欲・食物摂取の調節に関わる遺伝子の変異が肥満のリスクを高めることが知られています。

たとえば、脂肪細胞で産生されるレプチンというホルモンをコードするLEP遺伝子に変異がある場合、レプチンの分泌が減少して食欲が増加し、肥満になるリスクが高まるとされています
また、脳内で食欲を抑制する神経伝達物質をコードするPOMC遺伝子に変異がある場合は、食欲が制御できなくなって肥満になることがあります。

もちろん遺伝子だけが肥満の原因ではなく、環境要因行動要因も重要な役割を果たしています
肥満になるメカニズムは複雑であり、遺伝子環境行動要因が相互作用して発症することが多いとされています。

 

遺伝的要因

肥満は、複数の要因が絡み合った疾患であり、遺伝的要因もその一つです
遺伝的要因は、個々人の体重・体脂肪の調節に影響を与える遺伝子の変異や多型(一塩基多型、SNPなど)の存在によって引き起こされると考えられています

遺伝的要因としては、食欲代謝エネルギー消費脂肪貯蔵に関わる様々な遺伝子が挙げられます
例えば、LEP遺伝子やPOMC遺伝子、MC4R遺伝子、FTO遺伝子、ADIPOQ遺伝子などが知られています。これらの遺伝子の変異は、体脂肪量やBMIなどの肥満度指標に影響を与え、肥満リスクを高める可能性があります

また、遺伝的要因は、環境要因と相互作用することで肥満の発症や進行に影響を与えます
例えば、肥満遺伝子を持つ人が過剰なカロリー摂取や運動不足の生活習慣を持つと、肥満遺伝子を持たない人より肥満になるリスクが高まることが知られています

 

逆に言えば肥満遺伝子を持つ人は、持たない人よりもダイエットに苦労することになると言えます
しかし、そのことを知ることでダイエットに対する心構えも違ってくるのではないでしょうか?

もちろん遺伝的要因がすべてを説明するわけではありません
肥満は多因子的な疾患であり、環境要因(食事、運動、ストレスなど)も重要な役割を持ちます
肥満については、遺伝的要因と環境要因が複雑に相互作用していることが考えられており、今後の研究が求められています

ホルモンとは?

  1. ホルモンとは、生物の体内で生成される、化学的なメッセージング分子のことです
    これらの分子は、生物の各種組織や器官に信号を送り、調整・制御する役割を持ちます
  2. ホルモンは、内分泌器官(ホルモンを分泌する臓器)によって生成され、血液中を流れて、特定の標的細胞に作用します
  3. ホルモンは、身長、体重、性別、年齢、代謝率、ストレス反応、睡眠、食欲、性欲、月経周期など、様々な生理的プロセス行動に関与しています
  4. ホルモンの種類には、インスリン、グルカゴン、成長ホルモン、性ホルモン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、膵臓ポリペプチド、脳下垂体前葉ホルモンなどがあります
  5. ホルモンは、非常に微量であっても、生体内の重要なプロセスを調整するために必要です
    例えば、甲状腺ホルモンは、代謝率を調節し、成長ホルモンは、成長を促進します
    また、インスリンは、血糖値を下げ、グルカゴンは、血糖値を上げます
    性ホルモンは、性的特徴を形成し、性的行動を制御します
  6. ホルモンのバランスが崩れると、身体機能や行動に悪影響を与えることがあります
    例えば、甲状腺ホルモンの過剰分泌は、甲状腺機能亢進症を引き起こし、甲状腺ホルモンの不足は、甲状腺機能低下症を引き起こします
    また、インスリンの不足は、糖尿病を引き起こします。

 

LEP遺伝子

  1. LEP遺伝子は、脂肪細胞で産生されるレプチンというホルモンをコードする遺伝子です
    レプチンは、食欲やエネルギー代謝を調節するホルモンであり、脂肪細胞の量に比例して分泌量が調節されます。
  2. LEP遺伝子の変異には、いくつかの種類があります
    その中でも最もよく知られているのは、LEP遺伝子のミスセンス変異であるArg^25Cys変異です
    この変異は、レプチン分泌量が低下することが知られています
  3. この変異を持つ人は、レプチンの分泌量が低下して食欲が増加し、脂肪蓄積が増える傾向があります
    さらに、この変異を持つ人は、糖尿病高血圧脂質異常症などの代謝異常のリスクが高まるとされています。
  4. 一方、LEP遺伝子のプロモーター領域にあるSNP(単一核酸多型)rs7799039のAアレルは、BMI(体重指数)の上昇と関連があります
    このアレルを持つ人は、レプチン分泌量が増加し、食欲が減少するとされています。
  5. LEP遺伝子の変異は肥満のリスクと関係があることが分かっていますが、これらの変異は肥満の原因ではなく、遺伝的要因環境要因相互作用によって発症することが多いとされています
  6. 肥満治療においてレプチン製剤が使用されることがありますが、LEP遺伝子の変異が原因でレプチン不足が起こっている場合には、レプチン製剤が効果的であるとされています。

 

POMC遺伝子

  1. POMC遺伝子は、視床下部や下垂体前葉で産生されるプロオピオメラノコルチン(POMC)という前駆体タンパク質をコードする遺伝子です
    POMCタンパク質は、中枢神経系で食欲の抑制や代謝の調節に関与するメラノコルチン、アドレナルコルチコトロピン、β-エンドルフィンなどの神経伝達物質に分解されます。
  2. POMC遺伝子には、いくつかの変異が存在し、その中でも最もよく知られているのは、POMC遺伝子のミスセンス変異であるPro^98Leu変異です
    この変異は、中枢神経系でのPOMCタンパク質の分解が抑制され、食欲抑制効果が減少することが知られています
    この変異を持つ人は、食欲が制御できなくなり、肥満になるリスクが高まるとされています。
  3. また、POMC遺伝子には、プロモーター領域にあるSNP(単一核酸多型)rs6713532が存在し、このSNPのAアレルを持つ人は、BMI(体重指数)が高く、代謝異常のリスクが高いとされています。
  4. POMC遺伝子の変異は、肥満のリスクと関係があることが分かっていますが、これらの変異は肥満の原因ではなく遺伝的要因と環境要因の相互作用によって発症することが多いとされています。肥満治療において、POMCタンパク質のアゴニストが使用されることがありますが、POMC遺伝子の変異によってアゴニストの効果が減少する可能性があるため、治療効果の検討が必要とされています。

 

肥満には遺伝的要因が関係していることが分かりました

しかし、遺伝的要因だけでは肥満になるというわけではなく、そこには環境要因が深くかかわっています

つまり、環境要因をコントロールすることで、肥満を押さえることが出来るのです
以下に環境要因とはどんなものかについてお伝えします

 

 

環境要因

肥満は、遺伝的要因に、環境要因が重なって引き起こされます
環境要因は、食事・運動・睡眠・ストレスなどのライフスタイル要因や、社会・文化的・経済的要因など、様々な要因が絡み合っているとされています

肥満の主な環境要因

  1. 過剰なカロリー摂取
    食事において、過剰なカロリー摂取が肥満の主な原因の一つとされています
    食事の種類や量、頻度などが問題となります
    また、加工食品やファストフード、甘い飲み物などの高カロリーな食品を多く摂取することが、肥満を引き起こす原因になることがあります
  2. 運動不足
    現代社会において、運動不足は肥満の原因として非常に大きな役割を果たしています
    運動不足は、エネルギー消費が少なくなり、代謝が低下することで肥満を引き起こすことがあります
    また、座りっぱなしの生活や、自動車やエレベーターの利用なども運動不足を引き起こす原因となります
  3. 睡眠不足
    睡眠不足は、ホルモンバランスの乱れや食欲の増加、代謝の低下などを引き起こすことがあり、肥満のリスクを高める要因とされています
  4. ストレス
    ストレスは、交感神経の興奮や食欲の増加などを引き起こすことがあり、肥満のリスクを高める要因とされています
    また、ストレスによる過食や、不規則な生活習慣なども肥満を引き起こす原因になることがあります
  5. 社会・文化的・経済的要因
    肥満は、社会的・文化的・経済的な要因によっても引き起こされることがあります
    例えば、高所得者や都市部に住む人々の肥満率が高い傾向があることが報告されており、社会的・経済的な格差が肥満に影響があるとされています
    また、食文化やライフスタイルが変化することで、肥満のリスクも変化することがあります
    例えば、外食やファストフードの普及、加工食品や甘い飲み物の消費の増加などが挙げられます
  6. 医薬品や病気の影響
    医薬品や病気によっても肥満を引き起こすことがあります
    例えば、抗精神病薬や抗うつ薬などの薬剤は、食欲や代謝に影響を与えることがあり、肥満を引き起こすことがあります
    また、ホルモンの異常や甲状腺機能低下症、多嚢胞性卵巣症候群などの病気も肥満を引き起こす原因になることがあります

環境要因は、単体で肥満を引き起こすことはありませんが、複数の要因が絡み合って、肥満を引き起こすことがあるため、適切な対策が必要です

さらにこれらの環境要因を以下に深堀してみました

 

 

過剰なカロリー摂取を避ける方法

  1. 食事を計画的に摂る
    :食事を事前に計画し、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
    食事の中には、野菜、果物、全粒穀物、タンパク質などが含まれるようにしましょう。
    また、適度な量の食事を複数回に分けることで、空腹を感じにくくなり、過剰な食事を避けることができます。
  2. 食事中の飲料に気を付ける
    :砂糖やカロリーが高い飲料は、食事中に避けるようにしましょう。
    代わりに、水や低カロリーの飲料を飲むようにしましょう。
  3. 食事の量を減らす
    :食事の量を減らすことで、カロリー摂取を制限することができます。
    また、食事の前に水を飲むことで、満腹感を得ることができるため、過剰な食事を避けることができます。
  4. 食事の時間をゆっくりと過ごす
    :食事を急いで食べると、満腹感を得る前に過剰な食事をしてしまうことがあります。
    ゆっくりと噛むことで、満腹感を得やすくなるため、過剰な食事を避けることができます。
  5. 食事の中で高カロリーな食品を控える
    :高カロリーな食品は、食事の中で控えるようにしましょう。
    例えば、揚げ物やファーストフード、スナック菓子などは、高カロリーなため、過剰なカロリー摂取につながりやすいです。

 

計画的な食事、適切な飲料、量の制限、食事の時間や噛むことの調整、高カロリーな食品の制限などに気を付けることで、過剰なカロリー摂取を避けることができます。

 

手軽に始められる運動

  1. 散歩
    :毎日30分から1時間の散歩をすることで、運動不足を解消することができます。
    軽い運動としては手軽で効果的です。
  2. ストレッチ
    :筋肉の柔軟性を高めるために、ストレッチをすることがおすすめです。
    毎日5分ほどのストレッチで、身体をほぐしてみましょう。
  3. ジョギング
    :軽いジョギングをすることで、全身の筋肉を使って有酸素運動ができます。
    初めは10分から15分程度から始め、慣れてきたら時間を増やしていくとよいでしょう。
  4. サイクリング
    :自転車に乗ることで、全身を使った有酸素運動ができます。
    自転車がなくても、室内サイクルトレーナーやエアロバイクを使えば、手軽に運動することができます。
  5. ヨガ
    :ヨガは身体を柔軟にし、ストレスを解消するための運動です。
    手軽なものとして、YouTubeなどの動画で行える自宅ヨガがあります。

 

以上のような手軽な運動であれば、継続しやすく、運動不足を解消することができます。
ただし、運動を始める前には、自分の体調に合った運動を選ぶようにしましょう。

 

睡眠不足を解消する方法

  1. 睡眠時間を確保する
    :睡眠時間を確保するためには、毎晩同じ時間に寝るように心がけ、寝る前にはスマホやパソコンなどの電子機器を避けることが大切です。
    また、睡眠中には音や光が少ない静かな環境を作ることも重要です。
  2. 睡眠の質を向上する
    :質の良い睡眠をとるためには、寝室を涼しく保つ、寝具を快適なものにする。
    アルコールやカフェインを控える。
    リラックスするためのテクニック(深呼吸、瞑想など)を取り入れるなどの方法があります。
  3. 睡眠不足を補う
    :睡眠不足が続いている場合は、昼寝をすることで短時間でも眠りを補うことができます。
    ただし、昼寝をする場合は長時間寝ないように気を付け、夕方以降には昼寝を避けるようにしましょう。
  4. 健康的な生活習慣を維持する
    :健康的な生活習慣を維持することで、睡眠不足を防ぐことができます。
    適度な運動やバランスのとれた食事、ストレスをためないようなリラックス法を取り入れることが大切です。

 

睡眠不足は健康に悪影響を及ぼすため、早めに対策を取ることが重要です。

 

ストレスを溜めないようにする方法

  1. 運動をする
    :適度な運動をすることでストレスを解消することができます。
    運動によって脳内のエンドルフィンが分泌され、ストレスホルモンのコルチゾールが減少するため、気分が安定し、ストレスを軽減することができます。
  2. 趣味を持つ
    :自分の好きなことや興味のあることをして、気分をリフレッシュすることが大切です。
    趣味を持つことで、ストレス発散や自己実現などのプラスの効果が期待できます。
  3. 休息をとる
    :仕事や勉強、家事などの日常生活で忙しくなってしまった場合は、しっかりと休息をとることが必要です。
    休日にはゆっくりと過ごすことでストレスを解消することができます。
  4. コミュニケーションを取る
    :人とのコミュニケーションを通じて、ストレスを解消することができます。
    相談相手を見つけたり、友人と過ごしたりすることで、気分がリフレッシュされることがあります。
  5. 瞑想をする
    :瞑想や深呼吸などのリラックス法を取り入れることで、心身の緊張をほぐすことができます。
    瞑想は自分自身の内面に意識を向け、心を落ち着かせることで、ストレスを軽減することができます。

 

以上のような方法を取り入れることで、ストレスを溜めずに、健康的な生活を送ることができます。

 

肥満の原因となる社会・文化的・経済的要因を軽減する方法

  1.  健康的な食習慣の推進
    :食育啓発や栄養指導を行い、健康的な食生活を促進することが大切です。
    また、加工食品やジャンクフードなどの販売規制や、食品表示の改善も必要です。
  2. 適切な運動習慣の推進
    :運動習慣を促進することで、健康な体型を維持することができます。
    公共施設の整備や、運動場所の充実などが必要です。
  3. ストレス管理のサポート
    :ストレスは肥満の原因の一つであるため、ストレス管理のための支援が必要です。
    職場や学校などでのストレスマネジメント教育や、メンタルヘルスケアの充実などが必要です。
  4. 禁煙運動の推進
    :喫煙は肥満の原因の一つであるため、禁煙運動の推進が必要です。
    喫煙者への禁煙支援や、タバコの価格の引き上げ、受動喫煙防止の施策などが必要です。

 

以上のような取り組みを総合的に行うことで、社会・文化的・経済的要因による肥満の発生を軽減することができます。
ただし、一過性の施策ではなく、長期的な取り組みが必要であることに留意する必要があります。

 

食文化やライフスタイルが肥満に影響する原因

  1. 高カロリーの食品の普及
    :ファーストフードや加工食品、スナック菓子などの高カロリーな食品が普及していることが挙げられます。
    これらの食品は手軽に購入でき、調理も簡単であるため、食生活に取り入れやすく、高カロリーなため肥満の原因になります。
  2. 食事の量や質の変化
    :食事の量が増え、食事の回数が少なくなったことが挙げられます。
    また、食品の品質が低下し、栄養素の摂取が不十分になっている場合があります。
  3. 運動不足の増加
    :現代社会では、運動する機会が減少しているため、カロリーを消費する機会が少なくなっています。
    また、交通手段の変化やデジタル化の進展により、身体的な活動が減少することが多くなりました。
  4. ストレスの増加
    :現代社会はストレスが多い環境であり、ストレスを抱えたまま生活している人が多いことが挙げられます。
    ストレスを感じると、食欲を増進させ、高カロリーな食品を選択する傾向があるため、肥満につながります。

 

以上のように、食文化やライフスタイルの変化が、肥満に影響を与える原因となっています。
このような問題に対しては、適切な食事管理や運動、ストレスのマネジメントなどが必要になってきます。

肥満に関係する薬の副作用

抗精神病薬と抗うつ薬は、精神疾患の治療に用いられる薬剤の一種です。以下に詳細を説明します。

【抗精神病薬】
  1. 抗精神病薬
    主に統合失調症や躁うつ病、双極性障害などの精神疾患の治療に用いられる薬剤の総称です。
    主にドーパミン受容体に作用し、抗精神病作用を示します。
    主に1世代薬剤(フェノチアジン系、ブチロフェノン系、チオキサントレン系)と2世代薬剤(アリピプラゾール、リスペリドン、オランザピンなど)があり、2世代薬剤は、副作用の少なさから、現在では広く使用されています。
  2. 抗精神病薬は、主に以下のような副作用があります。
    ・錐体外路症状:体幹の不随意運動や筋肉のこわばり、けいれんなど
    ・抗コリン作用:口渇、便秘、視界のかすみなど
    ・体重増加:食欲が増加するため、体重が増える場合がある
    ・代謝異常:高血糖、高コレステロール血症など

 

【抗うつ薬】
  1. 抗うつ薬
    主にうつ病やパニック障害、強迫性障害などの治療に用いられる薬剤の総称です。
    主にセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質に作用し、うつ病による気分障害を改善する作用を示します。
    主に三環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などがあります。
  2. 抗うつ薬の副作用
    ・セロトニン症候群:副作用として発熱、筋肉のこわばり、意識障害、動悸、下痢などが現れることがあ

 

抗うつ薬には、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、三環系抗うつ薬、モノアミン酸化酵素阻害剤(MAOI)、選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)などがあります。

  1. SSRIは、セロトニンの再取り込みを阻害することにより、神経伝達物質のバランスを整え、うつ病の症状を改善する作用があります。
    代表的な薬剤には、フルオキセチン(プロザック)、セルトラリン(ゾロフト)、エスシタロプラム(レクサプロ)などがあります。
  2. 三環系抗うつ薬は、神経伝達物質のノルアドレナリンやセロトニンを増やす作用があります。
    代表的な薬剤には、アミトリプチリン(トリプタノール)、イミプラミン(トフラニール)などがあります。
  3. MAOIは、脳内のモノアミン酸化酵素という酵素を阻害することにより、ノルアドレナリンやセロトニンの量を増やす作用があります。
    代表的な薬剤には、フェニルゼイン(ネルボン)などがあります。
  4. SNRIは、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害することにより、神経伝達物質のバランスを整え、うつ病の症状を改善する作用があります。
    代表的な薬剤には、ベンラファキシン(エフェキソール)やデュロキセチン(セレクサ)などがあります。

 

これらの薬剤は、精神疾患の治療に用いられますが、副作用もあります。
例えば、抗精神病薬には、体重増加、血糖値上昇、血脂質異常などがあります。
抗うつ薬には、性機能障害、妊娠中毒症候群などの副作用が報告されています。これらの薬剤を使用する際には、医師の指示に従い、適切に使用する必要があります。

 

甲状腺機能低下症
  1. 甲状腺機能低下症は、甲状腺が正常に機能しないために、甲状腺ホルモンの分泌が不十分な状態を指します。
    甲状腺ホルモンは、体の代謝や発育・発達に重要な役割を果たすため、甲状腺機能低下症は、全身の機能低下を引き起こします。
    甲状腺機能低下症は、原因によって、先天性甲状腺機能低下症、自己免疫性甲状腺疾患、甲状腺手術後の低下症、甲状腺炎などの種類がありますが、最も一般的な原因は自己免疫性甲状腺疾患によるものです。甲状腺機能低下症の症状は、全身的なだるさ、冷感、便秘、体重増加、髪の毛の薄さ、肌の乾燥、関節の痛みなどです。
    また、重症化すると、心機能低下、精神症状、高コレステロール血症、貧血などの合併症が生じることがあります。
  2. 自己免疫性甲状腺疾患は、免疫細胞が甲状腺組織を攻撃し、炎症を引き起こすことにより、甲状腺機能低下症を引き起こします。
    また、甲状腺手術や放射線治療による甲状腺の一部または全体の切除、甲状腺炎による破壊、ヨウ素不足なども原因として挙げられます。
  3. 甲状腺機能低下症の治療は、甲状腺ホルモン補充療法が基本的な治療法です。
    補充するホルモンは、甲状腺ホルモンの一つであるレボチロキシン(T4)です。治療には時間がかかる場合がありますが、適切な治療によって、症状の改善が期待できます。
  4. 甲状腺機能低下症が肥満に及ぼす影響は複雑で、一方向的な関係ではありません。
    一般的に、甲状腺機能低下症の患者は代謝率が低下するため、体重が増加しやすくなります。
    これは、甲状腺ホルモンが基礎代謝率を調節するため、甲状腺ホルモンが不足すると、基礎代謝率が低下し、体脂肪が蓄積しやすくなるためです。
  5. また、甲状腺機能低下症の患者は、エネルギー代謝が低下し、食欲が増進するため、運動不足や過剰な食事による肥満につながることもあります。
    甲状腺ホルモンは、神経系や消化器系にも影響を与え、甲状腺機能低下症の患者はうつ病や不眠症のような精神的な問題を抱えることがあり、それが過食やストレスからの過食に繋がることがあります。

 

甲状腺機能低下症による肥満の症状は、全ての患者に現れるわけではありません。
治療によって適切な量の甲状腺ホルモンを投与し、適正な代謝を維持することができれば、肥満のリスクは低下する可能性があります。

嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

  1. 嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、女性の生殖システムに影響を与える疾患の1つで、通常、月経周期の異常、高い男性ホルモン濃度、多嚢胞性卵巣の形成などの症状を引き起こします。
    PCOSは、肥満と密接な関係があり、肥満がPCOSを引き起こすか、PCOSが肥満を引き起こすか、あるいは相互作用していることが知られています。
  2. 肥満は、PCOSの症状を悪化させる可能性があります。
    肥満は、男性ホルモンの産生を促進し、糖代謝に影響を与え、月経周期の異常を引き起こすことができます。
    さらに、肥満は、PCOSに関連する他の疾患、例えば糖尿病や高血圧などのリスクを増加させる可能性があります。
    一方、PCOSは、肥満を引き起こすこともできます。PCOSは、インスリン抵抗性の増加、インスリン分泌の異常、および脂肪代謝の変化と関連しています。

 

これらの生理学的異常は、脂肪蓄積を増加させることができ、その結果、肥満を引き起こす可能性があります。

 

そのため、PCOSを引き起こすまたは悪化させる肥満を防ぐためには、適切な食生活、運動、ストレスの管理、十分な睡眠などの健康的なライフスタイルが重要です。
また、適切な医療処置や薬物療法も必要となる場合があります。

 

社会的・経済的な格差が肥満に影響を与える

社会的・経済的な格差が肥満に影響を与えることは、多くの研究によって示されています。以下にその考察を述べます。

  1. 食品選択の差異
    低所得者層は高カロリー・低栄養価の加工食品を選びがちであり、一方で高所得者層はより健康的な食品を選択する傾向があるとされています。
    これは、高品質の食品が高価であるため、低所得者層には手が届かない場合が多いためです。
  2. 運動の機会の差異
    高所得者層は、健康クラブやスポーツジムに通い、自転車やジョギングなどの運動を積極的に行っています。一
    方、低所得者層は、より長時間労働し、運動の機会が少なく、運動不足になりやすい傾向があります。
  3. ストレスの差異
    社会的・経済的な格差により、低所得者層はより多くのストレスを抱えやすく、それが肥満につながることがあります。
    ストレスは、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を促進するため、肥満を引き起こす可能性があります。
  4. 環境の差異
    高所得者層は、より快適な住環境に住んでおり、健康的な食品を手軽に入手することができます。
    一方、低所得者層は、より低質な住環境に住んでおり、食品の入手が難しい場合があります。

 

これらの要因が、社会的・経済的な格差により、肥満につながる可能性があります。
また、肥満は、健康問題につながるため、社会保障費の増加など、経済的な問題にもつながる可能性があります。

 

したがって、社会的・経済的な格差を軽減する政策が必要であり、公正な社会を構築することが重要です。

 

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